トップページ > コラム > 7月IPOがまさかの全勝!8月以降のIPOはどうなる?
2021年のIPO市場は年初から絶好調で、5月までは全戦全勝でした。しかし、6月に発生した超大型IPOラッシュでは、超過密スケジュールということもあり、今年初の公募割れが出るなどあきらかに勢いが失速してしまいました。
同日上場が連続した6月22日以降で見ると、18戦13勝4敗1分と勝率が7割まで落ち込み、期待されていたIPOでも初値が伸び悩むなど、失速している状況がよくわかります。
その中で迎えた7月のIPOは、終盤に条件が厳しいIPOが連続しており、7月も後半は失速するかも?と心配していました。しかし、終わってみればなんと9戦全勝と負けなしの1か月となりました!良い意味で予想を裏切り、見事なV字回復を見せています。2021年後半のIPOに向けて、よい折り返しスタートとなりました!
今回は、7月のIPO結果と、8月以降に上場予定の中から、注目IPOをピックアップして紹介します。
では、7月のIPO結果を見てみましょう。
企業名 | 総合 評価 |
市場 | 申込 期間 |
上場日 | 当たり本数 | 公募価格 | 初値 | 利益 (上昇率) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
AIメカテック (6227) |
東証 2部 |
7/12 ~7/16 |
7/30 | 39,410本 (多い) |
1,920円 | 1,941円 | +21円 (+1.1%) |
|
デリバリー コンサルティング (9240) |
東証 マザーズ |
7/12 ~7/16 |
7/29 | 13,087本 | 950円 | 1,472円 | +522円 (+54.9%) |
|
ブレインズ テクノロジー (4075) |
東証 マザーズ |
7/9 ~7/15 |
7/28 | 9,430本 | 1,780円 | 4,165円 | +2,385円 (+134.0%) |
|
サーキュレーション (7379) |
東証 マザーズ |
7/7 ~7/13 |
7/27 | 24,426本 (多い) |
1,810円 | 3,205円 | +1,395円 (+77.1%) |
|
ランドネット (2991) |
JASDAQ スタンダード |
7/6 ~7/12 |
7/21 | 4,105本 | 3,830円 | 5,320円 | +1,490円 (+38.9%) |
|
アシロ (7378) |
東証 マザーズ |
7/2 ~7/8 |
7/20 | 48,336本 (多い) |
1,160円 | 1,480円 | +320円 (+27.6%) |
|
ラキール (4074) |
東証 マザーズ |
6/30 ~7/6 |
7/16 | 14,490本 | 1,400円 | 2,480円 | +1,080円 (+77.1%) |
|
コラントッテ (7792) |
東証 マザーズ |
6/22 ~6/28 |
7/8 | 24,725本 (多い) |
1,100円 | 1,385円 | +285円 (+25.9%) |
|
BCC (7376) |
東証 マザーズ |
6/18 ~6/24 |
7/6 | 2,990本 (少ない) |
1,300円 | 3,350円 | +2,050円 (+157.7%) |
|
企業名 | 総合 評価 |
市場 | 申込 期間 |
上場日 | 当たり本数 | 公募価格 | 初値 | 利益 (上昇率) |
BCCやブレインズテクノロジーは前評判が高く、安定した高値を付けています。この辺りの安定感はもちろんのことですが、7月IPOで最も注目したいのはAIメカテックです。社名にAIと入っているものの、事業内容は「半導体パッケージ製造装置などの開発・製造・販売およびアフターサービス」と、AI事業ではありません。公開株数が多く、全て既存株主の売出による公開と、マイナス要素が盛りだくさんでした。
このようにIPOとしてのスペックは「公募割れしても仕方ない」レベルでしたが、予想を裏切り、ギリギリではありますが公募割れを回避しています。6月後半に上場していたら、おそらく公募割れしていたでしょう。それだけ7月のIPO市場が強かったという事です。
7月のIPO市場の強さに加えて、8月以降のIPOは条件の良い銘柄が揃っているのが特長です。現在発表されている銘柄は、全てが注目IPOと言っても差し支えありません!
企業名 | 総合 評価 |
市場 | 申込 期間 |
上場日 | 当たり本数 | 狙い目証券 |
---|---|---|---|---|---|---|
メディア総研 (9242) |
東証 マザーズ |
8/18 ~8/24 |
9/2 | 3,450本 |
SBI 松井 岡三オンライン |
|
モビルス (4370) |
東証 マザーズ |
8/18 ~8/24 |
9/2 | 12,670本 |
大和(主) 野村(副) SMBC日興 SBI 楽天 CONNECT カブコム |
|
ジェイフロンティア (2934) |
東証 マザーズ |
8/12 ~8/18 |
8/27 | 8,800本 |
SBI(主) 野村 SMBC日興 岩井 松井 マネックス 楽天 ネオトレード ネオモバ |
|
タンゴヤ (7126) |
JASDAQ スタンダード |
8/5 ~8/12 |
8/24 | 2,415本 (少ない) |
SMBC日興 野村 SBI マネックス カブコム |
|
シイエヌエス (4076) |
東証 マザーズ |
8/4 ~8/11 |
8/20 | 5,980本 |
岩井(副) SBI 松井 岡三オンライン 楽天 |
|
フューチャーリンク ネットワーク (9241) |
東証 マザーズ |
8/2 ~8/6 |
8/20 | 2,788本 (少ない) |
SBI(副) SMBC日興 楽天 松井 マネックス 岡三オンライン |
|
企業名 | 総合 評価 |
市場 | 申込 期間 |
上場日 | 当たり本数 | 狙い目証券 |
8月~9月のIPOは、どれが当たってもそれなりに利益が期待できそうです。
その中でも、フューチャーリンクネットワーク、タンゴヤ、メディア総研といった、公開株数が少ない銘柄は、初値が高騰する可能性が高いので、積極的に狙いたいですね!
フューチャーリンクネットワークは、8月最初のIPOです。公開株数が少ない上に、直近IPOから3週間ほど期間を空けて上場するため、投資家の余力は十分に回復しているでしょう。主要株主には解除条件のないロックアップがかかっていることから、初日は圧倒的な買い気配ではじまりそうです。シイエヌエスと同日上場ですが、こちらも規模はさほど大きくないため、初値形成には問題なさそうです。
主幹事が岡三証券なので、同じグループの岡三オンライン証券にも委託配分があります。また、SBI証券が主幹事に次ぐ割当数なので、こちらも狙い目です、
タンゴヤはさらに少ない公開株数なので、買いが集まれば初値が高騰しそうな銘柄です。ただし、メイン事業であるオーダースーツやオーダーシャツは新型コロナウイルス感染症の影響を受けやすいため、今後の先行きが不透明なところが気がかりです。さらに、主要株主にベンチャーキャピタル(VC)が多いのもマイナスです。公募価格の1.5倍でロックアップが解除されてしまうので、そのあたりが一つの壁になるでしょう。
メディア総研も事業内容はあまり強くないですが、公開株数が少なめのIPOです。業績が着実に伸びている点と、既存株主に解除条件のないロックアップがかかっている点はプラス要素です。主要株主にベンチャーキャピタルがいないので、上場直後に大量の売りを浴びせられる心配がありません。堅実に初値が上がっていきそうです。
主幹事の東洋証券ではネット配分が無いので、SBI証券か松井証券が狙い目です。
それぞれ主幹事証券から申し込むのはもちろん、ネット配分が多いSBI証券、マネックス証券、松井証券からも忘れずに申し込みましょう。さらに、新興ネット証券である、CONNECTやLINE証券などもフォローしておくと、盤石です!
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