トップページ > コラム > 春のIPOラッシュ到来!3月の注目企業をピックアップ!
(3月26日追記)
ピックアップ企業の初値を反映しました。
2020年のIPOはジモティーとコーユーレンティアの同日上場ではじまりました。ジモティーは公募価格比+130.0%、コーユーレンティアは公募価格比+32.8%と好調な出だしとなりました。2社とも2019年のうちに上場承認されるなど、例年に無いスタートでしたが、今年はそれだけではありません!
例年3月に上場する企業は15社前後なのに比べ、今年は2月17日時点で、なんと20社が上場予定です。昨年の12月に上場した企業が23社ですから、それに迫る勢いですね。
3月にこれだけ集中するのは珍しく、同日上場もかなりあるので、上場予定企業の中から注目企業をいくつか選んで解説していきます。抽選に申し込むかどうか悩んでいる方は参考にしてみてください。
3月上場予定の20社から、注目度が高い企業を5社選んでみました。
企業名 | 総合 評価 |
市場 | 申込 期間 |
上場日 | 当たり本数 | 公募価格 | 初値 (公募価格比) |
狙い目証券 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
カーブス ホールディングス (7085) |
未定 | 2/13 ~2/19 |
3/2 | 27,770本 (多い) |
750円 (低価格) |
670円 (-10.7%) |
野村(副) SMBC日興 岡三オンライン カブコム |
|
Kids Smile Holdings (7084) |
東証 マザーズ |
2/14 ~2/20 |
3/4 | 9,200本 | 2,260円 | 2,732円 (+20.9%) |
野村(副) 岩井 マネックス SBI 東海東京 岡三オンライン |
|
ビザスク (4490) |
東証 マザーズ |
2/20 ~2/27 |
3/10 | 32,696本 (多い) |
1,500円 | 1,310円 (-12.7%) |
大和(副) SMBC日興 野村 東海東京 SBI マネックス DMM株 |
|
フォースタート アップス (7089) |
東証 マザーズ |
2/26 ~3/3 |
3/13 | 9,200本 | 1,770円 | 1,628円 (-8.0%) |
野村(主) SBI(副) マネックス 岩井 岡三オンライン |
|
サイバー セキュリティクラウド (4493) |
東証 マザーズ |
3/10 ~3/16 |
3/26 | 700本 (少ない) |
4,500円 | 9,210円 (+104.7%) |
SBI(主) 大和(副) SMBC日興 岩井 楽天 |
|
企業名 | 総合 評価 |
市場 | 申込 期間 |
上場日 | 当たり本数 | 公募価格 | 初値 (公募価格比) |
狙い目証券 |
まずは3月最初の上場企業であるカーブスホールディングスです。「女性だけの30分健康体操教室 カーブス」を全国2,000店舗以上展開しています。注目する大きな理由が、日本初の「スピンオフを利用して分離した企業」だからです。※スピンオフについては、こちらでくわしく解説しています。→「コシダカHDがカーブスHDのスピンオフを発表!」(グループサイト「やさしい株のはじめ方」より)
IPOとしてはさほど強い案件ではなく、さらにスピンオフによりコシダカホールディングスの既存株主がそのままカーブスホールディングスの株主になるので、初日には大きな売り圧力になる可能性があります。
初めてのケースなので、判断が難しいですが、カーブスの知名度と、スピンオフで注目度はかなり高い案件です。この上場の結果が、今後スピンオフを利用する企業が増えるかどうかを左右するのではないか!?と注目しています。
Kids Smile Holdingsは保育所を運営する企業です。保育系はIPOではあまり人気ではないテーマです。ここの注目ポイントは、割安性です。想定価格によるPERは5.59倍で、同業他社と比べてもかなり割安感があります。
公開株数がそこまで多くないうえ、上位株主にベンチャーキャピタルが無いところも、好印象です。さらに上位株主にロックアップがしっかりかかっているので、初日の売り圧力はあまりないでしょう。仮条件が若干弱気なのが気になりますが、安心感のある案件だと思います。
ビザスクは「1時間からのスポットコンサル」をキャッチコピーとした、クラウドサービスです。知識を持った専門家と、その知識を必要とする人をマッチングするサービスもあり、働き方の多様化に伴いユーザー数が増えています。ベンチャー企業としては知名度が高く、ついに上場か!と一部でにぎわっていました。
事業内容が面白く、成長性も十分にあるのですが、公開株数が多いので初値は重そうです。公開株数のうち、大半がベンチャーキャピタルの売り出しなので、換金イベント色が強いのもマイナスですね。
「知名度と将来性がある」、「同日上場が無い」、「ラッシュ前半での上場」などのプラス要因で、どれだけマイナスをひっくり返せるかが注目です。
(2020年2月20日追記)
ビザスクの仮条件が、想定価格を大幅に下回りました。仮条件の上限で決まらなかった場合、公募割れの危険性が高まります。
フォースタートアップスはベンチャー企業向けの人材紹介サービスを主力事業としています。公開株数が多くなく、主要株主には期間でロックアップがかかっているため、それなりに初値が上昇しそうな案件です。3月上場予定企業の中では、まあまあ条件が良いですね。
人材紹介サービス自体に目新しさはないのですが、ベンチャー企業向け、と限定していることで差別化は出来ています。同日上場が他に2社ありますが、フォースタートアップスが一番人気になるでしょうから、問題は無さそうです。
サイバーセキュリティクラウドは、AI技術を活用したサイバーセキュリティサービスを開発・提供しています。VCのロックアップが1.5倍で外れる懸念があるものの、「AI、セキュリティ、クラウド」というIPOの人気テーマが3拍子揃っており、公開株数が非常に少ないプラチナチケットとなっています。3月上場の企業の中では一番条件が良く、人気化するのはまちがいないでしょう。
カーブスホールディングスやKids Smile Holdingsはすでに抽選申込期間です。証券会社によって違いますが、最終日は午前中に終わる場合もあります。気になった場合は、早めに申し込みましょう!
(2020年3月26日追記)
コロナショックにより公募割れが続出する中、サイバーセキュリティクラウドはしっかり+100%を超える初値を付けました。しかし、平常時であればもっと初値が伸びる案件でした。新型コロナウイルスは、IPO市場にも多大な影響を与えています。
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