東京地下鉄[東京メトロ]のIPO申し込みはあり?なし?初値予想してみました

投稿日:
2024年9月26日

(10月9日追記)
強気の仮条件(想定価格1,100円に対して1,100円 ~ 1,200円)を受けて、初値予想を「1,150円 ~ 1,350円(9月25日時点)」から「1,250円 ~ 1,450円(10月7日時点)」に引き上げました。 公募価格が仮条件の上限1,200円になった場合は、+0.5万円+2.5万円利益を想定しています。

 東京地下鉄[東京メトロ](9023)(以降は「東京メトロ」で統一)が、2024年10月23日(水)に東証プライム市場に上場することを発表しました。

 公表されている情報と過去の国が関連している公的IPOをもとに初値予想をした結果、東京メトロのIPOに当選すれば、+0.5万円+2.5万円くらいの利益が期待できそうです。

 それでは、さっそく東京メトロの初値予想の根拠について、他の公的IPOと比較しながら説明していきます。今回の比較対象は、同業他社の九州旅客鉄道[JR九州]、売り出し元が同じ「財務大臣」の日本郵政、そして、その日本郵政が売り出し元のゆうちょ銀行かんぽ生命です。

表は左右にスライドしてご確認ください
東京メトロの「公募価格」は仮で、「初値」、「初値売り利益」は予想値です。
東京メトロ 九州旅客鉄道 日本郵政ゆうちょ銀行かんぽ生命
上場年月日2024年10月23日 2016年10月25日 2015年11月4日2015年11月4日2015年11月4日
想定価格1,100円 2,450円 1,350円1,400円2,150円
PER 13.8倍 -倍 12.6倍17.1倍15.9倍
直近1株配当32円 なし 11.13円49.26円40.88円
発行済株式数581,000,000株 160,000,000株 4,500,000,000株4,500,000,000株600,000,000株
配当利回り2.91% なし 0.82%3.52%1.9%
公募価格 (仮)1,100円 2,600円 1,400円1,450円2,200円
初値(公募価格比) (予)1,150円(+0.5%)

1,350円(+22.7%
3,100円(+19.2% 1,631円(+16.5%1,680円(+15.9%)2,929円(+33.1%)
初値売り利益 (予)+0.5万円
+2.5万円
+5万円 +2.3万円+2.3万円+7.3万円
想定時価総額6,391億円 3,920億円 60,750億円63,000億円12,900億円
想定吸収額3,196億円 3,920億円 6,683億円5,774億円1,419億円
上場時発行済株式数581,000,000株 160,000,000株 4,500,000,000株4,500,000,000株600,000,000株
公募株数0株 0株 0株0株0株
売出株数(OA含む)290,500,000株 160,000,000株 495,000,000株412,442,300株66,000,000株
当選株数290,500,000株 160,000,000株 495,000,000株412,442,300株66,000,000株
当選株数(国内)232,400,000株 120,000,000株 396000000株329953800株52800000株
当選株数(国内比率)80.00% 75.00% 80.00%80.00%80.00%
公募株数÷当選株数0.00% 0.00% 0.00%0.00%0.00%
ロックアップ180日間 すべて売り出し 180日間180日間180日間

 まずは、初値の「上昇率」を確認します。九州旅客鉄道+19.2%日本郵政+16.5%ゆうちょ銀行+15.9%かんぽ生命+33.1%といずれも初値が上昇しました。通常のIPOであれば、いずれも初値が公募価格を下回る“公募割れ”になってもおかしくないような案件ですが、国がかかわっているということで、安心感から多くの買いが集まったようです。

同業他社IPO 九州旅客鉄道との比較

 とくに参考になるのは、事業内容が近い九州旅客鉄道(2016年上場)でしょう。また、どちらもIPO時に株主優待制度を発表していますが、九州旅客鉄道が100株からだったのに対し、東京メトロは200株からとなっています。IPO株の当選は基本的に100株ですので、東京メトロの株主優待制度がIPOの初値に与えるプラスの影響は九州旅客鉄道ほど大きくなさそうです。(※ただし、優待取得に必要な金額ベースで見ると同じくらいです。九州旅客鉄道は100株で26万円、東京メトロは200株で22万円。)

企業名 保有
株数
実施
頻度
株主優待の内容(当時)
九州旅客鉄道 100株 年1回 鉄道株主優待券(運賃割引)1枚
JR九州グループ株主優待券(施設の利用料金割引)が5枚
東京メトロ 200株 年2回 東京メトロ全線で使える優待乗車券(回数券)3枚

 続いて、九州旅客鉄道と「PER」や「配当利回り」、「想定吸収金額」、「ロックアップ」を比較していきます。

 「PER(純利益に対して想定価格が何倍かを示す。高いほど割高。)」は、東京メトロ13.81倍に対し、九州旅客鉄道赤字のため計測不能でした。九州旅客鉄道の赤字は、鉄道事業における資産評価損5,216億円の特別損失が発生したためで、来期(2017年3月期)の会社発表の予想値ベースのPERは10.3倍でした。

 「配当利回り(想定価格の何%を年間配当としてもらえるか)」は、東京メトロ2.91%に対し、九州旅客鉄道赤字のためなしでした。ちなみに、東京メトロの来期(2025年3月期)の会社発表の予想値ベースの配当利回りは3.64%で、九州旅客鉄道の来期(2017年3月期)の会社発表の予想値ベースの配当利回りは1.53%でした(上場から期末までの期間が6カ月未満のため、配当が通常の半分になっており、年間で計算すると3.06%)。

 「想定吸収金額(すべてのIPO株を想定価格で購入した場合にかかる金額)」は、東京メトロ3,196億円に対し、九州旅客鉄道3,920億円で、市場の買い支え負担は九州旅客鉄道の方が大きいです(ちなみに、どちらのIPO株も海外への割当がありますが、国内の割当比率は東京メトロが80%に対し、九州旅客鉄道は75%で同程度です)。

 「ロックアップ(既存の株主が保有株を売れない条件)」に目を向けると、東京メトロのロックアップは180日間と日数でかかっており、初値形成時に既存の株主が株を売る心配はありません。また、九州旅客鉄道も、既存の株主である「独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構」が持ち株をすべて売り出していたため、既存株主が株を売る心配はありません。ですので、どちらも上記の想定吸収金額のみが、上場日当日の売り圧力になりえます(IPO抽選で当選した投資家が、上場日当日に売りに出すのみ)。

公的IPOとの比較

 同業ではありませんが、売り出し元が同じ「財務大臣」の日本郵政(2015年上場)も参考になるIPOかと思います。

 PERは東京メトロ13.8倍に対し、日本郵政12.6倍でした。ちなみに、東京メトロの来期(2025年3月期)の会社予想値ベースのPERは12.2倍で、日本郵政の来期(2016年3月期)の会社予想値ベースのPERは15.8倍でした。

 配当利回りは、東京メトロ2.91%(来期予想3.64%)に対し、日本郵政0.82%でした。ちなみに、日本郵政の来期の会社発表の予想値ベースの配当利回りは1.7%でした(上場から期末までの期間が6カ月未満のため、配当が通常の半分になっており、年間で計算すると3.4%)。

 想定吸収金額は、東京メトロ3,196億円に対し、日本郵政6,683億円と倍以上でした。ロックアップはどちらも180日間と日数でかかっており、初値形成時に既存の株主が株を売る心配はありません。また、日本郵政のIPO株も海外への割当がありますが、国内の割当比率は東京メトロと同じ80%です。

 さらに、日本郵政の上場日には、ゆうちょ銀行かんぽ生命も同時に上場しており、合計の想定吸収金額は1兆3,876億円にものぼりました。その上で、日本郵政+16.5%ゆうちょ銀行+15.9%かんぽ生命+33.1%の初値上昇となりました。

 補足ですが、日本郵政ゆうちょ銀行かんぽ生命に関しては、上場後に改めて大規模な売り出しをすることが決定していました。この売り出しを成功させるためにも、「IPOで良い結果を出さなければいけない」という何かしらの力が働いた可能性があります。

まとめ

 上記の分析から、東京メトロの初値は、想定通りに行けば、九州旅客鉄道+19.2%日本郵政+16.5%と同じくらい上昇する可能性が高いと考えます。その結果、初値予想は想定価格1,100円に対して「1,150円(+0.5%) ~ 1,350円(+22.7%)」で、期待利益は「+0.5万円+2.5万円」としました。

 最後に、「東京メトロのIPO申し込みはあり?なし?」の結論としましては「あり」です。当選株数も非常に多いので、複数の証券会社からIPO抽選に申し込めば、どこかで当選する可能性が高いです。

(2024年10月8日追記)
東京メトロIPO抽選の申込期限10月11日(金)までです。SMBC日興証券松井証券岡三オンライン証券DMM株は口座開設の申し込みに問題がなければ、最短で即日に口座開設が完了できます。(証券会社の口座開設までの最短日数

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