トップページ > コラム > 日本郵政株の追加〔2次〕売り出し(PO)を徹底解説
※↑画像はマネックス証券公式よりお借りしています。
※追記(2017年9月27日)
日本郵政(6178)の売り出し株は、ディスカウント率2%、1株あたり1,322円と決定されました(9月25日発表)。9月25日の終値は1,349円で、ここから2%引いた1,322円となったようです。ディスカウント率は、2%、3%、4%と用意されていましたが、投資家の需要が多く、「2%」に落ち着いた模様です。個人的には、日本郵政株はあまり人気もなく4%になるかな、と思っていたので驚きでした。受け渡しは29日ですので、それまで株価(1,322円以上)が保たれればよいですが、果たしてどうなるでしょうか? ※尚、2022年までに、もう一度売り出しが予定されています。(追記ここまで)
日本郵政は、2015年11月に新規上場(IPO)しましたが、その追加売り出しが9月中旬から始まることになりました。上場当時は、公募価格1,400円に対して、初値が1,631円(+231円)をつけ、公募価格比で実に「+16.5%」と想定以上に好調な滑り出しでした。かなり手に入りやすい状況だったので、100株あたり「+2万3100円」というのは、今考えると相当おいしかったですね。さて、今回の追加売り出し(PO)はどのようになるでしょうか?IPOの時のようにうまく行くのでしょうか?これから詳しく見ていきましょう!
売出株数は、731,150,100株と超大型POです。その分かなり当たりやすいと思われます。政府の日本郵政株の売却益は、最大で約1.4兆円になる模様で、株式売り出しの目的は「売却収入を東日本大震災の復興財源に充てる」とされています。
申込株数は100株単位なので、9月12日の株価1,373円(終値)で換算すると、100株あたり13万7300円ですから、手数料も考慮して15万円ほどあれば買える計算になります。実際の購入価格については、14日の仮条件(ディスカウント率)で割引率が決まり、25日~27日の売出価格決定日の株価から、ディスカウント分安くなった株価で手に入ります(今回は「2~4%」と決まりました!)。例えば、「ディスカウント率が4%」、「売出価格決定日の株価が1,400円」だった場合、1,344円(=1,400×96%)の株価で手に入ります。このディスカウント率分(この場合は4%)が新規購入者の“うまみ”となります。
ただし、今回の売り出しは日本郵政の中間決算(9月)の権利落ち最終日(26日)付近で決定するため、少々わかりにくくなっています。売出価格が「25日」に決まった場合は、シンプルに中間配当をもらうことができ、終値からディスカウントされますが、「26日」に決まった場合は、中間配当は得られず、その代わりに、当日の終値から中間配当の25円分を差し引くことになります。「27日」は権利落ち後なので、中間配当はありません。株価も権利分が下がっていると想定されます。いずれの日になったとしても、投資家が不利にならない配慮がなされているので、有利・不利はありません。特に気にする必要はないと思います。
まず、一般的な話ですが、「売出(PO)」で株を買う場合は、ディスカウント分が安く買えるので、株式市場よりはお得に買うことができます(今回のディスカウント率は(2~4%)と決まりました)。また購入手数料も無料です。ただし、売出価格が決定してから、実際に受け渡しが行われる間までに株価が下落することがあり、せっかくのディスカウント分が帳消しになってしまうことがあります。また、手に入ったPO株が大量に売りに出されることもあり、これも株価の下落要因になります。このあたりは、短期的な株の需給関係で決まるので、今の段階では何とも言えません。IPO(新規株式公開)のように、“当たったらほぼ儲かる”とは言えないのが、PO(公募・売出)の特徴です。
日本郵政株を個別にみると、売上は頭打ちで、利益も伸び悩んでいます。成長株としてはとても買えません…。一方、配当金を見ると、年間50円を予定していて、配当性向(利益を配当に充てる割合)は50%以上を計画しています。株価が1,400円とすると、配当利回りは3.57%となり、そこそこ「高配当株の仲間入り」をしていると言えます。この配当が今後も続けられるようなら、保有し続けるのもありかもしれませんが、配当の原資となる業績(売上・利益)の変化には注目しておきたいですね。日本郵政株のよりどころともいえる、配当が減るようなことがあれば、株価下落はまぬがれません…。
※ここで書いていることは、管理人独自の判断です。投資の勧誘や判断に責任を持つものではございません。投資判断等は自己責任でよろしくお願いいたします。